第12回クウェート・日本合同シンポジウム開催
2011年1月18・19日、財団法人国際石油交流センター(JCCP)とクウェート科学調査研究所(KISR)は、第12回クウェート・日本合同シンポジウム「石油精製技術の革新」を開催した。同シンポジウムは、触媒処理分野(原油精製、硫黄分除去、新エネルギー)及び精製機器整備分野(腐食、検査、原料)の中からテーマが選ばれ、毎年クウェートで行われている。公益社団法人石油学会(JPI)委員会が主催した今年のシンポジウムでは、日本側の講師5名による特別講演が行なわれた。
開会式では、クウェート側を代表し、クウェート国営石油会社アサド・A・アルサード氏(クウェート国営石油精製会社(KNPC)ミナ・アルアハマディ製油所副所長)とナジ・アルムタイリ博士(KISR所長)が開会の挨拶を述べ、日本側からは、小溝泰義在クウェート日本国大使と辰巳敬教授(東京工業大学)がそれぞれ開会の挨拶を行なった。
小溝大使は、今年、日本・クウェート国交樹立50周年にあたり、日本が様々な記念式典を計画している事に触れ、このシンポジウムが重要な最初のイベントだと述べた。さらに大使は、当初、日本企業とアラビア石油の研究機関として発足したKISRが、今日、総合研究所として発展し拡大している旨賞賛した。また、KIRSが、今後も日本との技術提携継続に携わり、更なる発展を遂げることを期待すると述べた。
シンポジウムでは、計15名のスピーチとプレゼンテーションが行われた。日本側からは、基調講演と、クウェートで技術協力プロジェクトに参加するJCCPメンバー5名による特別講演が行われ、クウェート側からは、基調講演と7名による特別講演が行なわれた。クウェート石油業界における有識者40人を含む、約60人が同シンポジウムに出席した。
JCCPは、引き続き同シンポジウムが、日本・クウェート双方間の技術提携促進に貢献するものになると期待している。日本側の研究者と特別講演テーマは以下の通り。
1) 東京工業大学資源化学研究所 辰巳敬教授
テーマ:Improvement of ZSM-5 catalyst for cracking of naphtha
2) 北九州市立大学国際環境工学部 浅岡佐知夫教授
テーマ:Selective conversion of n-paraffins to gasoline fraction on metal/nano-seized xide/zeolite hybrid catalyst
3) 鳥取大学 丹羽幹名誉教授(現愛知工業大学客員教授財団法人名古屋産業科学研究所上席研究員)
テーマ:Characterization and catalytic cracking activity of USY zeolite
4) 北海道大学大学院工学研究科 増田隆夫教授
テーマ:Selective production of intermediate species of reaction in series using catalytic zeolite membrane as contactor
5) 出光興産株式会社先進技術研究所 砂川ヨウジ主任研究員
テーマ: Development of zeolite hydrocracking catalyst and system for resdhydrodesulfurzation unit