2012年6月29日(栃木)
アルオタイビ駐日大使、白鴎大学で特別講演を行なう
アブドゥルラフマーン・アルオタイビ駐日大使は、クウェートの歴史や文化、また現在の国の情勢や国際社会への貢献について、日本社会の多くの人々に知ってもらうための、大使館の文化学術プログラムの一環として、栃木県小山市の白鴎大学で特別講演を行った。 この講演は、日本国外務省の外交官出身で、現在白鴎大学教授の河合正男元駐ノルウェー大使の働きかけにより実現したもので、大学の大講義室には、200名以上の学生、大学関係者、一般の聴講者が詰めかけた。 アルオタイビ大使は、古代ギリシャ時代に始まるクウェート国の起源について述べた後、1800年代初頭近代クウェート社会の成立から独立後今日に至るまでの近現代史につき講義した。大使は特にクウェート国憲法が依拠する価値観や、民主主義や人権について焦点をあて、現代のクウェートの女性の保護や女性の権利についても語った。 講演ではさらに、途上国への支援事業を担っているクウェート開発基金の活動や、石油発見前後のクウェート経済、クウェート社会の価値観や伝統の本質やその変遷、国の社会保障制度や医療制度など、現代のクウェートの様々な側面について語られた。
また、50年以上の歴史を有するクウェートと日本の友好的な外交関係についても触れられ、昨年の東日本大震災以来の、クウェートによる被災地支援の取り組みや、本年3月に天皇陛下の招きにより実現した、シェイク・サバーハ首長殿下の国賓訪日について述べられた。被災地支援につき、アルオタイビ大使はこれを、両国の国民と政府との親密な関係の現れであり、クウェートにとっては、1990年の旧イラク政権によるクウェート侵攻からの解放に至るまでに、日本から受けた支援への恩返しであると表現した。 講演に続きアルオタイビ大使は、学生からの質問を受けたが、なかにはクウェートにおける原子力利用に関する質問や、水資源に関するものなど、将来のクウェート・日本関係を俯瞰する質疑応答が盛んに行なわれた。