クウェート国について

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立憲君主国

立憲君主国 クウェイトは、1962年に制定した憲法に定められた権能を有する首長を元首とし、国民議会を通じて国民の政治参加が認められている、立憲君主国である。
近隣の湾岸諸国に比し、クウェイト国民が享受している政治的自由は最も広範囲にわたっている。首長位はクウェイトの中興の祖である第7代首長ムバーラク アル・サバーハ(在位1896年-1915年)の直系子孫の男子に限られている。
1961年にイギリスの保護から完全独立したクウェイトは他の湾岸諸国に先駆けて1962年11月に憲法を制定した。183条から成る同憲法は主権在民、言論・宗教の自由などを謳った民主的なもので、その概要は次の通りである。

  • 国教はイスラームであり、シャーリーア(イスラーム法)を立法の淵源とする(第2条)
  • クウェイトはムバーラク アル・サバーハ(第7代首長)の子孫が首長位を継承する世襲制首長国である。皇太子は首長の即位の日から遅くとも1年以内に指名され、その指名は首長令ならびに国民議会の多数決の承認により発効する(第4条)
  • 政体は民主制であり、主権は国民に在る(第6条)
  • すべての人は人間の尊厳において平等で、法の前で平等の公的権利・義務を有し、人種、出自、言語、宗教を理由に差別されることはない(第29条)
  • 個人の自由は保証される(第30条)
  • 信仰の自由は絶対であり、宗教を実践する自由は保護される(第35条)。
  • 言論および科学的研究の自由は保証される(第36条)
  • 新聞雑誌業、印刷業、出版業の自由は保証される(第37条)
  • 郵便、電報、電話による通信の自由は保証され、その秘密は保護される(第39条)
  • 教育は国民の権利であり、その初等段階においては必須かつ無料とする(第40条)
  • 団体、組合を結成する自由は法律に基づき保証される(第43条)
  • 個人は会合、集会を開く権利を有する(第44条)
  • 立法権は首長および国民議会が有する(第51条)
  • 首長は国家元首であり、その地位は不可侵である(第54条)
  • 首長は内閣を通じ、行政権を行使する(第55条)
  • 首長は首相の任命・罷免権を有し、首相の助言に基づき閣僚を任命、罷免する。閣僚の人数は国民議会議員数の3分の1を超えないものとする(第56条)
  • 首長は法律の立案、裁可、公布の権限を有する(第65条)
  • 首長は軍の最高司令官である(第67条)
  • 首長は防衛戦争の宣戦布告をする。侵略戦争は禁止される(第68条)
  • 国民議会の議員数は50名とする(第80条)
  • 首長は国民議会を解散できる(第107条)
  • 憲法の条項は戒厳令の場合を除き停止されず、また国民議会はいかなる場合でも停止されず、議員は不可侵である(第181条)